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退蔵院(方丈〜元信の庭〜余香苑)

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妙心寺 塔頭 退蔵院 山門前 全景図 妙心寺 塔頭 退蔵院 山門前 全景図 

禅のこころ、今昔の庭園美 退蔵院ごあんない

 臨済宗大本山妙心寺の山内は、石畳で結ばれた一つの寺町を形作っており、四十六もの塔頭があります。
その寺院の中でも退蔵院は、今から六百年以上前、応永十一年(一四〇四)に建立された山内屈指の古刹です。
 方丈(本堂)では、当院開祖である無囚宗因禅師(妙心寺第三世)をおまつりしています。退蔵院の境内にはこの方丈をとり囲むように作庭された枯山水庭園「元信の庭」、方丈南方の八百五十坪に及ぶ池泉回遊式庭園「余香苑」と、異なる趣の庭園が広がり、一年を通じて多くの樹木や草花に彩られます。
 四季の華やぎと禅寺の落ち着いた佇まいを兼ね備えた空間で、どうぞこころ穏やかなひとときをー。
妙心寺 塔頭 退蔵院 山門 妙心寺 塔頭 退蔵院 山門 

退蔵院

 越前(現在の福井県)の豪族・波多野重道が、妙心寺三世の無印禅師を開祖として、応永二年(一三九五)に創建した妙心寺の塔頭である。
 建物はその後再建され、現在の方丈(重要文化財)は慶長年間(一五九六〜一六一五)の建築である。
 方丈西の庭園(国の史跡及び名勝)は、室町時代の有名な画家・狩野元信の作庭と伝えられている。二百平方メートルほどの広さであるが、石組本位の枯山水庭園で、一見無造作に石や橋が配置されているように見えるが、全林として見事に絵画的な調和を保っている名園である。
 寺宝のうち瓢鮎図一幅(国宝)は、瓢箪でなまずを押えるという禅の公案(試験問題)を絵に表したもので、足利義持の命により如拙が心血を注いで描いた最高傑作としてよく知られている。如拙は相国寺の禅師であったが、宋元画を学び日本の水墨画を開拓した先駆者で、雪舟もわが師と呼んで手本としたといわれている。
 ほかに、花園天皇、後奈良天皇の宸翰(重要文化財)などを蔵する。
妙心寺 塔頭 退蔵院 山門 妙心寺 塔頭 退蔵院 山門 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 

方丈で専任の解説員が瓢鮎図、元信の庭などの解説から池泉式回遊式庭園「余香苑」の案内まで立ち会い、しかも全ての場所において撮影許可だった。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 国宝 瓢鮎図 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 国宝 瓢鮎図 

日本最古の水墨画(如拙筆) 国宝 瓢鮎図

 方丈では、禅の公案(修行のための問題)の「瓢鮎図」を目にすることができます。
 小さな瓢箪で大きななまずをいかに捕えるかーという禅の問題で、一見、不可能とも思えるこの問いかけに、あなたならどのような答えを思い浮かべますか?
 悟りの不可思議を描いた図上には、京都五山の高僧31人の賛(回答)が並びます。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 国宝 瓢鮎図 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 国宝 瓢鮎図 
妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 

史跡名勝・枯山水庭園 元信の庭

白砂と石組で表現された禅庭の観念的な世界
室町期の画聖・狩野元信が作庭した枯山水庭園。庭の背景には常緑樹を主に植え、一年中変わらぬ「不変の美」を求めたものと考えられています。
妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 
妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 
妙心寺 塔頭 退蔵院 かくれ茶室 妙心寺 塔頭 退蔵院 かくれ茶室 

参禅を第一主義とする妙心寺では、茶の道が修行の妨げになると考え、これを禁じた時代がありました。
ところが執心のあまり、密かに茶室が作られました。第六世千山和尚の作と言われ、外部からは茶席とわからないように巧みに設計されていることから、「かくれ茶室」とも言われています。
通常非公開ですが、特別拝観時などに公開しています。
妙心寺 塔頭 退蔵院 かくれ茶室 妙心寺 塔頭 退蔵院 かくれ茶室 
妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 元信の庭 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 坐禅道場 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 坐禅道場 

方丈(本堂)

剣豪・宮本武蔵も修行をした精神修養の場
応仁の乱後、1597年に再建された方丈。禅と剣の道には精神的な共通点があり、江戸期には宮本武蔵もここに居して修行に励んだと伝わります。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 坐禅道場 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 坐禅道場 

修学旅行生や近隣の小中高生が座禅に訪れるとのことで、方丈に座布団が引いてあったり、坐禅のすすめと言った資料が用意されている。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 

門外漢なので詳細は分からないが、ツアー客の中で眉刷毛万年青がある、と驚きの声が上がり、解説員が説明していた。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭へ 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭へ 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 

名勝及び史跡 退蔵院庭園 通称元信乃庭

 方丈の南と西に面して作庭されている。
 南面の庭は一面に苔が張りつめた平坦地に赤松を植栽されたのみで禅院の方丈前提に多く見られる形態である。
 西面の庭は枯山水様式で、絵画的な構築の鑑賞本位の庭園である。
 池の中央部に中島を配した亀島を、西側に三導石、南西部に篷来島、手前に鶴島、北西部築山の奥には立石による段落ちの枯滝を組み栗石を敷いて渓流を表現している。
 中島の岬には二ヶ所の石橋が渡され、石組の表現は豪快華麗の中に閑静な趣がある。
 室町時代の画聖狩野元信の作庭と伝えられている。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 

退蔵院本堂・玄関(重要文化財)

 当院は今から約六百余年前、(西暦一四〇四年)妙心寺第三世、無因禅師に帰依し創建されたものである。
本尊観世音菩薩、開山無因禅師像は、本堂中奥に安置されている。
又、室内には五十一面の襖絵、杉戸絵十面があり何れも狩野了慶の筆である。
杉戸絵十面は、川面稜一氏により模写復元されたものである。
尚、本堂は昭和四十七年より解体修理に着手し、昭和五十年三月竣工したもである。
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 
妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 妙心寺 塔頭 退蔵院 方丈、元信の庭 

名勝・史跡 枯山水元信の庭

 多くの枯山水庭園は主として著名な禅僧、又は造園家が作者になっていますが、当院の庭園は我が国でも珍しく狩野派の画家が作庭しておりますo
絵画的な優美豊艶の趣を失わず、独特の風格を備えている庭園で、水が滝より大海に流れ込むまでの様子を白砂によって表現しております。常緑樹を主に植え、一年中変わらない美しさ「不変の美」を求めたものと考えられます。
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 ひょうたん池 

余香苑の左側の散策路を下って来て休憩所で休んでいたら、解説員からこの池はこの付近を底とするひょうたん池と言うと言われた。ピンとは来なかったが、丘の上のほうが口だそうである。
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 ひょうたん池 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 ひょうたん池 
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 名勝 紅枝垂れ桜 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 名勝 紅枝垂れ桜 

これも解説員からこれが有名な紅枝垂れ桜だ、と言われて気がついた。平成25年のJR東海の「そうだ京都、行こう。」キャンペーンで取り上げられた有名な桜だそうである。
妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 名勝 紅枝垂れ桜 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 名勝 紅枝垂れ桜 
3xd22 妙心寺 塔頭 退蔵院 池泉回遊式庭園「余香苑」 名勝 紅枝垂れ桜 

方丈の玄関に戻ってきたら平成25年のJR東海の「そうだ京都、行こう。」キャンペーンのポスターが飾られていた。

東京で枝垂桜というと六義園の大枝垂れ桜が思い浮かぶが、退蔵院の枝垂桜がポスターのようであるなら規模は遥かに大きい。



 
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