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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門 
旧三河島汚水処分場喞筒場施設は、隅田川中流に位置する旧下水処理場施設で、東京市区改正事業の一環として、東京市技師米元晋一を中心として建設が進められ、大正11年3月に運転を開始しました。
本施設は、わが国最初の近代下水処理場である旧三河島汚水処分場の代表的遺構として、高い歴史的価値が認められることから、平成19年12月4日に下水道分野の遺構では初めて国の重要文化財(建造物)に指定されました。
阻水扉室、沈砂池などの一連の構造物が、旧態を保持しつつまとめて残っており、近代下水処理場喞筒場施設の構成を知る上でも重要な文化財となっています。
【注】
喞筒とはポンプのことで、「そくとう」、「しょくとう」と読む。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門前広場 日本の下水処理発祥の地碑 
元都知事の鈴木俊一の書である。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門前広場 案内図
現在地は左上端の正門で、その横の赤く囲われた部分が今回見学の施設である。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 事務棟 見学説明会場  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 事務棟 見学説明会場 
三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設)の歴史など、事前に説明が行われる。
見学は事前予約が必要で、施設のパンフレットや絵葉書、マニアには垂涎のマンホールカードが貰える。マンホールカードは見学会に参加しないと貰えず、見学しない来場者からはクレームがあるとのことである。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門前広場 重要文化財(建造物)旧三河島汚水処分場喞筒場施設 説明  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門前広場 門衛所  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 正門前広場 門衛所・正門 
三河島汚水処分場の表玄関として門衛所、正門が大正14年(1925年)に整備されました。
門衛所
庇の下に出勤簿が置かれ、出勤した職員はここで押印していました。
また、外来者は、ここで記帳していました。
正門(重要文化財指定外)
三河島水再生センターの表玄関として利用されています。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 事務棟横のバラ  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 東・西阻水扉室  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 東・西阻水扉室 
阻水扉を開閉する油圧装置や巻上機を格納する建物です。
沈砂池や水路をメンテナンスする際には、阻水扉を閉めて水の流入を一時的に止めていました。
昭和37年(1962年)に天井に油圧シリンダ吊上用の開口が設置されています。また、阻水扉は昭和59年(1984年)に油圧シリンダは平成2年(1990年)に現在のものに取り替えられています。
昭和37年(1962年)まで開閉操作は、喞筒室から阻水扉室まで係員が駆けつけ、油圧ポンプを運転し、操作を行っていました。
昭和38年(1963年)以降は遠隔操作方式に変更され、喞筒室から開閉操作が出来るようになりました。
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 東・西沈砂池 
下水を池の中でゆっくり流して、下水中の土砂を沈殿させて、取り除きます。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 重要文化財(建造物)旧三河島汚水処分場喞筒場施設 
旧三河島汚水処分場は、大正11年(1922年)に運転を開始しました。それまで、し尿は、貯め置き後、農地で肥料として利用し、家庭雑排水や雨水は、河川に流していました。
街の近代化により下水(し尿、家庭雑排水など)が増加したため、効率的に下水を集め、まとめて浄化する近代下水処理施設が必要となりました。この処分場が完成したことで、東京の下水処理は、近代的な都市にふさわしくなりました。
運転当初の姿を多く残す本施設は、平成11年(1999年)まで約77年間にわたって使用されました。
運転停止後、日本最初の近代下水処理施設としては、初めて国の重要文化財(建造物)に指定されました。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 沈砂池 
沈砂池の改造の変遷が見てとれるように、西側沈砂池内部には平成11年(1999年)の施設停止当時の設備を残しています。
沈砂池内部の揚砂システムの変更は、施設の衛生管理の向上を目的とするとともに,下水道設備の技術発展に合わせて稼働停止まで、2回実施されました。
第一回目の変更は、昭和37年(1962年)に沈砂池上部に蓋掛けをして、パケットコレクタ式の揚砂設備を設置しました。第二回目の変更は,平成元年(1989年)に高圧ノズル式集砂装置とジェットポンプ式揚砂装置を設置しました。
平成11年(1999年)の運転停止後,雨水が溜まるのを防ぐために沈砂池底部を約1.8m埋めました。
平成23年(2011年)に沈砂池上部の蓋を建設当初の姿に復原するため撤去しました。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 沈砂池、濾格室上屋 
下水を池の中でゆっくり流して、下水中の土砂を沈殿させて、取り除きます。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 沈砂池  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 沈砂池 
沈砂池は、下水がこの池の中をゆっくり流れることで下水中の土砂類を沈殿させる施設です。また、浮いている大きなゴミはスクリーンで除去します。
現在の沈砂池底部から約1.8m下に建設当初の底部があります。横壁部は無筋コンクリート造で、底部に向い壁厚が厚くなる重力式壁となっています。
また、横壁にかかる圧力に耐えるほか浮力防止のため、控え壁が築かれています。
沈殿した土砂は、沈砂池の両側に布設されたレール上を走る揚泥機でかき揚げました。かき揚げた土砂は、横転式の土運車に積まれ、インクラインによって場内道路まで引き上げられ、場内に布設されたレール上を走行し捨場まで運ばれていました。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 沈砂池、濾格室上屋 
下水中の浮いたゴミを地下のスクリーンで取り除きます。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 濾格室上屋、喞筒室 
濾格室上屋の後方に赤レンガが美しい喞筒室が見える。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 流入暗渠・濾格機 
流入暗渠
東・西阻水扉から沈砂池に下水を流入させる暗渠です。内径は幅2.12m高さ1.82mで鉄筋コンクリート造です。底版の上にレンガを敷いて仕上げていました。
濾格機
濾格機とは、下水の中に含まれているゴミを除去するための鉄製の格子「スクリーン」と、ゴミを連続してかき揚げる「レーキ」を組み合わせた機械設備です。
流入暗渠から入った下水は、この濾格機を通過することで大きなゴミが取り除かれ、水路で量水器室へと導かれます。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 土運車引揚装置(インクライン) 
インクラインとは、コンクリート造の傾斜路(傾斜角 約7度、標高差約3.6m)に複線のレールを布設し、上部が水平な台車がレールを走行する施設です。
沈砂やゴミを積んだ土運車は、台車の上に乗せられた状態で、傾斜路の上の道路まで往復していました。
昭和37年(1962年)に沈砂・ゴミの処理方法が変わったことにより、上と下にあったプラットホームを撤去し、埋めました。
インクラインの仕組み
電動巻上機のワイヤロープで2台の台車を取り付けます。片方が傾斜路を上昇している時は、もう片方は傾斜路を下ります。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 土運車引揚装置(インクライン) レール遺構  |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 量水器室、喞筒室 
赤レンガが美しい喞筒室の手前にある量水器室は、下水の量を計測するヴェンチュリ一管という設備が地下にあります。設備は喞筒室手前の白い看板横から階段を降りた所の暗渠にある。 |
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三河島水再生センター(旧三河島汚水処分場 ポンプ場施設) 量水器室 
流量を測るためのヴェンチュリー管を設置するために大正9年(1920年)に整備されました。
ヴェンチュリー管は中央の管径が細くなっています。
細い管の内径:720mm(283/8インチ)
太い管の内径:1,219mm(48インチ)
配管の一部を絞ると、細い部分を流れる下水の速度は、太い部分を流れる速度より速くなり、流れの圧力は反対に小さくなります(ベルヌーイの定理)。この圧力差を取り出し流量を算出するのかヴェンチュリーメーター(記録計)で、喞筒室に設置されています。 |