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H260318-19 バルセロナ~バレンシア(献花パレード、火祭り)
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バルセロナ フランサ駅~バレンシア ホアキン•ソロージャ駅~献花パレード
ホテルを出てバルセロナの高速鉄道フランサ駅に着く。フランサ駅は都市で最も美しい駅と考えられ、歴史的な様式と近代的な様式が融合した落ち着いた建物はそれ自体に見る価値があり、更に大理石・青銅・水晶及びモデルニスモとアール・デコのモチーフによる装飾で完成される。バレンシア行きの車両は1等車で、進行方向に対し左1列、右2列である。日本で言えば地方のJR特急のグリーン車のイメージである。
10時出発で12時55分着の高速鉄道は、車内の走行状態表示板によるとしばらく100km/h前後で走り、途中で200km/hまで上がるものの、乗り心地や雰囲気は地方のJR特急のグリーン車と同じである。添乗員の言う新幹線ではない。バルセロナ市内を抜けると右は田園風景が延々と続いて面白味はなく、反対側の海岸線もただ砂浜があるだけである。バレンシアのホアキン・ソロージャ駅では列車の先頭まで歩いて隣のホームに移り、そこからさらに半分以上歩かないと改札口に出られない。この間ポーター無しで大きなスーツケースを運ぶのは大変である。駅を出てバスに乗りホテルに向かう。
ホテルから環状道路に出てトゥリア公園沿いに歩いて右折、トゥリア公園に架かる芸術の橋(Pont de les Arts)を渡ると現代美術館である。現代美術館脇のナ・ジュルナダ通り、ムセオ通りと歩いてカルメン広場の修道院デル・カルメンに着く。ロテロス通りを歩いていると献花パレードの一隊が行進しており、更に進むとセラノスの塔に至る。セラノスの門は1391年に建てられたゴシック様式の要塞の門で、当時は町への入り口だった。
昼食として名物のパエリアを食べた後、バレンシア市旗が翻るセラノスの塔を見物する。火祭りのファリャ(人形)のエルビス・プレスリー像の完成度は高く、翌日には燃やしてしまうのは残念な気がする。始めはナケラ通りを南下するが、途中から狭い道を添乗員の指示に従い右に左に曲がって歩く。所々に酸っぱくて食べられない種類のバレンシアオレンジの街路樹がある。サンタマリア大聖堂前のビルヘン広場には花で飾られたデ・サンバラドスの聖母像があり、サンタマリア大聖堂と北の青いドームの聖母デサンパラドス教会堂の間の道を進んでビルヘン広場の裏に出る。サンタマリア大聖堂正面右の広場を行進する献花パレードを数隊見た後、パラウ通りのバレンシア大司教の宮殿を通って献花パレードの会場に向かう。
バレンシア旧市街のパス通りは献花パレード会場で、パス通りの終わりはレイナ広場で、パレードはそこで右折してサンタマリア大聖堂の裏を進む。先頭に地域団体の旗を掲げる数人が登場し、その直後に幼女が父母に連れられて登場する。、続いて男児の後、女男の順で小学生、中高校生、夫婦となり、最後に楽団の演奏で一つのグループが終わる。いずれにせよ女性がパレードの主体であり、華やかさも際立っている。幼女たちは緊張した顔ではあるが、自分が注目されている気持ちが強いせいか必死で歩いており、またその姿が愛らしい。次から次とパレードが続くが、地域団体が替わるだけで構成は変わらない。しかし、地区を代表する献花パレードの女王ともいうべき単独で歩く女子高校生はそれぞれ衣装も気品も違うものである。
バレンシア旧市街のレイナ広場裏道を通り、サンタマリア大聖堂の東の翼廊入口へ向かう。正面右の広場を行進する献花パレードは心なしか役目を終えて(パス通りでの演技を終えて)、ホッとしたというか気が抜けたパレードのように見える。街の所々でパレードを終えくつろぐパレード一行に出会う。環状道路を歩き、セラノスの塔や火祭りのファリャ(人形)を見つつ右折、中央に聖ホセと子供のイエスの像がある聖ホセの橋(Pont
de Sant Josep)を渡り、北側の環状道路を歩いてホテルに戻る。バレンシアの火祭りは3月19日の聖ホセの日(祝日)に張りぼての人形を燃やし爆竹を使い、春の訪れを祝う。大工が残った木材を燃やしたのが起源とされる。
バレンシア旧市街(サンタ・マリア大聖堂~市庁舎~セラノスの塔)
環状道路から坂を下りトゥリア公園を東進、右折して聖ホセの橋(Pont de Sant Josep)の下を進んで南詰へ出る。環状道路のポルタル・ヌエボ広場の火祭りのファリャ(人形)は実名の倒産銀行をその原因(例 幹部の女性問題)を様々な人形を使って表現している。地元のガイドによれば、どの人形が誰で、何をしたのかが分かるとのことである。例えば右中段の赤いカーデガンを羽織った白のワンピースの女性は、現役のバレンシア市長だそうである。サルバドール・ヒネル通りのファリャ(人形)は破壊されていく地球環境を表現している。ムセオ通りに進み、カルメン広場の修道院デル・カルメンに着く。
ロテロス通りを東進して突き当りで右折すると、左にセラノスの塔があるセラノス通りである。セラノス通りを南下し、ベイリー宮殿や自治政府庁などがあるマニセス広場で左折、カバリェス通りへ入って東進するとサンタマリア大聖堂前の花で覆われたビルヘン広場である。ビルヘン広場の聖母デサンパラドス教会堂も花が飾られている。ビルヘン広場南端にあるデ・サンバラドスの聖母像は、前日には未完成だった深紅の台座が献花パレードの少女たちの花束で綺麗に飾り付けられていた。
サンタマリア大聖堂と青いドームが美しい聖母デサンパラドス教会堂の間の道を歩き、バレンシア大司教の宮殿横の東の翼廊からサンタマリア大聖堂に入る。ミサを行っている最中だったので一旦外に出てレイナ広場にある正面入口から入り直し、祭壇や聖堂内部を見物する。秘宝室にある聖杯はイエスの最後の晩餐で使われたもので、世界にそれを称するものがいくつかある。レイナ広場に戻り、正面入口の横にある鐘楼のミゲレテの塔を眺める。
観光客で賑わうサンタマリア大聖堂前のレイナ広場を南下する。広場の南端にあるファリャ(人形)は燃やすのが惜しいほどの出来栄えである。サン・ビセンテ・マルティル通りを南下し、サン・マルティン教会を過ぎ、アユンタミエント広場通りに入る。アユンタミエント広場には夜の火祭りのための特別観覧席として予約したカサス・コン・ソンリサ ホテルがあり、市庁舎前には大人用のファリャ(人形)であるミケランジェロ作モーゼの十戒像や、敬礼をしている女性将校が現職のバレンシア市長を擬した子供用のものがある。
ホテルへの戻りは旧市街に飾られたファリャ(人形)を楽しむ、ということで現地ガイドが右に左に歩く後をはぐれないように歩く。同じような町並みで迷路を歩くようで、どこを歩いているのかさっぱり分からない。アインシュタインばかりが目立つが、数学を発展させたアラブ人や、物理の古代ギリシャ人などが表現されているファリャ(人形)、アニメチックで見物客が多いファリャ(人形)などを楽しみながら歩く。前日もそうだったが、「ハポン」、「ハポン」と声をかけてきて一緒に写真を撮ることを求める休憩中の献花パレードの音楽隊に会う。 「ラ・ロンハ・デ・ラ・セダ」は15世紀末に建てられたゴシック様式の建物で、名称は「絹の交易所」を意味し、商業の場としてバレンシアの繁栄を支えた。内部はねじれた柱が並ぶ柱のサロンをはじめ、開示裁判が行われた広間や礼拝所などもあり長い歴史を感じさせる。
色っぽいものや楽しいものなど様々な火祭りファリャ(人形)を見ながらアラブ系の露店が立ち並び、人で溢れ返っているレイナ広場に戻る。前日に行われた献花パレードが地区によって再び行われ、それらも見つつセラノスの塔から歩行者天国となった環状道路へ出てホテルに戻る。
バレンシア 火祭り(旧市街~レイナ広場~市庁舎)
環状道路から右折、トゥリア公園に架かる芸術の橋(Pont de les Arts)を渡り、バレンシア現代美術館横のナ・ジュルナダ通りを進み、展示されているファリャ(人形)や火祭りを祝う人々を見つつムセオ通りを歩くと献花パレードの一隊に巡りあい、カルメン広場の修道院デル・カルメンに着く。ロテロス通りを東進し突き当りで右折、セラノス通りへ出て南下する。旧市街は見物し終えているので、途中から時折糞尿臭が漂う路地を歩いて貧弱なファリャ(人形)を見つつひたすらレイナ広場に向かう。
現在時刻は20時で、レイナ広場の南端にあるファリャ(人形)の火祭り開始を待ち構える人々で溢れかえっている。レイナ広場周辺の道路はオープンカフェとなっており、ワインを楽しみながら火祭りの開始を待っている。レイナ広場近くのレストラン2階で食事を終え、レイナ広場に戻ったのは子供用ファリャ(人形)に点火される直前の21時50分である。子供用ファリャ(人形)の点火は22時なので、格好のポイントを取ろうと押すな押すな状態である。係員が爆竹を連ねた紐を木に掛けたり、ファリャ(人形)に埋め込んだりしていく。献花パレードの紫の衣装の少女が点火役だが点火することに怯え、止むを得ず係員が点火し、木に掛けられた爆竹が移っていってファリャ(人形)があっという間に燃え上がる。火祭り終了後にサン・ビセンテ・マルティル通りを南下し市庁舎のあるアユンタミエント広場に向かう。
市庁舎前のアユンタミエント広場にあるカサス・コン・ソンリサ ホテルの最上階テラスに着いたのは22時半である。市庁舎の前にライトアップされたモーゼの十戒像が見える。見物客がアユンタミエント広場に集まりだし、23時10分には見物客が溢れだしてきた。23時35分に突然花火が上がり、その音の大きさに驚いた。日本の花火のように大輪の花が咲く、というタイプではない。他地区の火祭りで打ち上げられる花火だった。開始予定の午前1時、突然周囲の電気が消え、歓声が上がる。市庁舎前の広場から次々と花火が打ち上げられ、その音の大きさに度肝を抜かれる。その後、モーゼの十戒像の周囲に小規模のナイアガラの滝があり、直後に像が内部から赤く点灯されたと思ったら煙を上げ始めた。全く息をつく間もない展開である。周囲からは大歓声が上がる。モーゼの十戒像は燃え上がり、骨格の木造部分が巨大な火柱となって燃え続けた。詳細は動画を見て頂きたい。
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